柏レイソルは"セーブ・ザ・チルドレン"を支援しています
柏レイソルは、セーブ・ザ・チルドレンとともに、「たたかない、怒鳴らない、ポジティブな子育て」を広める活動に取り組んでいます。その活動の一環として、「セーブ・ザ・チルドレン チャリティマッチ」を実施するほか、レイソルサポーターや地域の方々、そして、レイソルのユース選手の指導にあたるアカデミーコーチを対象に「たたかない、怒鳴らない子育て」の講座(※)を継続的に開催しています。
サッカーでも子育てでもどんな場面であっても、子どもを一人の人間として尊重し、人としてフェアな向き合い方をしながら、子どもの成長を支えていきたい。クラブとしてこのような想いを持つ柏レイソルに所属する選手は、「たたかない、怒鳴らない、ポジティブな子育て」をどのように考えているのでしょうか。
5歳と1歳の2児の父親でもある鎌田次郎選手に、ご自身の子育てや、サッカー指導を通じた子どもに対する接し方、レイソルサポーターの皆様への想いをお話しいただきました。
― 2人のお子さんと過ごしていて「楽しいな」「嬉しいな」と思うのはどんな時ですか?
鎌田次郎選手(以下、鎌田):上の子は、テレビや友達から吸収した僕が知らない言葉をしゃべったり、幼稚園で覚えてきた歌やダンスを披露したりしてくれるので、成長を感じるし面白いです。下の子は、パパ・ママや動物の名前など言葉をようやく話せるようになり、コミュニケーションも取れるようになってきたので、楽しさを感じます。子どもは毎日成長していて、特に、遠征やキャンプへ行っている間に別人のようになるので、面白いですね。
― 毎日お子さんと接していらっしゃると、面白いことばかりではなくて、逆に大変なこともあると思うのですが、いかがですか?
鎌田:しつけのことなどが大変です。朝起こしたり、ご飯を食べさせたり、着替えさせたり。年の近い子が2人なのでずっと大変です。怒鳴りたくなる時もあるのですが、自分が子どもだった時のことを考えると、僕自身がそうした状況でどういう態度を取ればいいか、冷静になれます。子どもに話すとやっぱり伝わって、しっかり理解してくれている部分もあるので、ぐっとこらえて。時には、「今日は強く言っちゃったな」とか、反省というか「あぁ・・・」って思う時もあります。そういう時は、その分、ちゃんと遊ぼうとか、次の機会に子どもたちときちっと向き合っていこう、子どもと一緒に成長していこうと思います。
― 2人のお子さんが、将来的にどんな大人になったらいいなと思いますか?
鎌田:子どもが大きくなるということに、不安もあるし、楽しみもあります。第一は、元気よく健康に友達をいっぱいつくって過ごしてくれればいいなと思います。そして、周りの人に優しく、思いやりがある人。そういう人になってもらいたいですね。
― イライラすることが山ほどある子育ての日常の中で、ずっとイライラしたままの日々を積み重ねて子どもたちと向き合っていくと、「この子は将来どういう大人になってほしいのか」という目標が分からなくなる時があると思います。「たたかない、怒鳴らない子育て」の講座では、最初に「20歳になった時の子どもの姿」ということを考え、子どもがその目標のように育つには今この場面でどのような態度が必要か考えてみませんか?と提案しています。例えば、今おっしゃったような「思いやりのある人」になってほしいのであれば、日々どのように大人が接したら、子どもが「思いやりのある人」に成長していくと思われますか?
鎌田:言葉遣いとか、すぐ子どもは真似しますよね。親自身の周りの人に対する態度なんかが一番影響を与えるんじゃないかなと思います。もちろん、きれいごとだけではいけない。親になってみないと分からないことがたくさんあります。でも、それも楽しいと言えば楽しいですね。
― レイソルが「たたかない、怒鳴らない、ポジティブな子育て」を推進しているということについて、どのようにお考えですか?
鎌田:レイソルは育成組織がしっかりしています。一昔前でいう体育会系の指導ではなくて、技術を重点的に教えるチームです。たまにユースの試合を横で見ることもあるのですが、ベンチからはほとんど指示を出しません。怒鳴るっていうこともありません。子どもたちが自分たちで考えて動いてみて、コーチは気づいた点をハーフタイムにいくつかまとめて伝えるだけ。基本的には、答えを先に与えるのではなくて、選手が考えるようにしています。問題点を言って、「どうやったらいいかな?」と。試合中に細かく「あれやれ、これやれ」という指示はほとんどのコーチがしていないので、さすがだなと思います。試合中にイラっとする場面ってきっとあると思うんです。それをコーチがこらえているのが、すごく勉強にもなります。子どもたちも、最初は考えて動くことができないかもしれないけど、積み重ねていくうちに成長します。そういう選手がユースからトップチームにどんどん上がってきています。日本のサッカー界がそういう方向に行こうっていう流れもあるし、日本サッカー協会の指導者向けの講習でも方針としても明確に打ち出しているので、時代は変わりつつあるというか、もう変わっているのかもしれないですね。
― 育成の時代から、自分で考えるということですね。
鎌田:それが自分の子育てにも使えるなと思っていて、実際に自分の子どもたちに対して「どうしたらいい?」と問いかけをすることもあります。サッカーと子育てがつながっている部分はあるなと思います。僕はコーチのライセンスも取っていますが、その講習の中で、体罰についてもディスカッションしました。子どもたちの年代には、体罰とかそういう指導方法は絶対にやめようと。中には、「自分はたたかれたり、怒鳴られたりしてきたけど、あんまり悪いと思っていない」ということを言う人もいます。だからまず、「昔は自分もやられていた」と言うのをやめよう、そういうところから体罰を消していこうという雰囲気づくりが指導者の方からあります。指導者の役割っていうのが、技術的な指導にはっきりと舵を切られているように感じます。
― レイソルのサポーターの方々にも「たたかない、怒鳴らない、ポジティブな子育て」を知っていただくために、チャリティマッチ会場での啓発活動や、講座などを行っています。サポーターのみなさんも一緒に、子どもに対してどんな視点を持ってくれたらいいなと思いますか?
鎌田:子どもはやっぱり大人を常に見ていると思っています。試合の日では、例えば、ごみを拾う大人がいれば、周りの子どもも拾うようになるかもしれないし、ゴミを捨てていくような大人がいたら、子どもも捨てて行っちゃうと思う。だから、スタジアムに子どもがたくさんいるっていうことを、自分も含めて、プレー中も含めて、もっとしっかり考えなきゃいけないのかなと思います。大人が示す態度がいろんな目で見られていることについて、ちょっと気を遣ってほしいなと思いますね。子どもって、良いことも悪いことも真似するので。それだったら、良いことをした方が、大人の態度や姿勢で子どもたちに教えることができると思います。
そして、毎日本当にいっぱいいっぱいで過ごしている親御さんもたくさんいると思います。子どもをたたかない、怒鳴らない接し方のことはまだまだ届いていないかもしれないので、少しでもレイソルを通じて広めていけたらいいなと思います。
(聞き手:セーブ・ザ・チルドレン)
※「たたかない・怒鳴らない子育て」の講座
正式名称は「ポジティブ・ディシプリン」(前向きなしつけ)。2007年にセーブ・ザ・チルドレンと児童臨床心理学者が、世界各国の父母や祖父母、地域の人々とともに開発したプログラム。日本では、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが2009年から普及を開始。
http://www.savechildren.or.jp/jpnem/jpn/pdf/positive_discipline.pdf
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