柏レイソルは"セーブ・ザ・チルドレン"を支援しています
◆支援事業の概要
【概要】
■事業名 ラオカイ省における少数民族の子ども達のための教育の質改善事業
■事業期間 2014年9月1日~2015年8月30日
■予算 3,581,011円
■事業地 ベトナム 北部山岳地帯 ラオカイ省 バサット郡
■事業概要 少数民族の子ども達が学ぶ小学校の学習環境改善を目指す。
■裨益者数 約1,259人(子ども969名、学校教員334名)
【事業進捗概要】
▼活動1:少数民族の子どもに対する教員の指導力強化(対象:69校/本校10校、分校59校、計290名の教員)
[1-1]少数民族の子どものニーズに合わせた教員研修の実施
2015年1月に実施した郡レベルでの、第2言語としてのベトナム語の教授法に関する指導者研修を受講した校長および教員30人がトレーナーとなり、指導者研修を受けていない他の教員(計304人)に、研修を実施しました。
参加した教員は、単語の習得や読解の授業に絵やカードを活用する方法のほか、お金をかけずに身近にあるものを学習に利用する手法や、子どもが先生を身近に感じられるような授業の組み立て方、授業中に生徒の反応を注意深く観察する技術、更には子ども教員双方の学び合いの促進などを学びました。
研修は、研修を受けた教員たちが実際に子どもたちの前で模擬授業を行う機会を作るなど、研修受講者参加型で進められました。そのため、教員たちはこれらの手法を実際に研修の中で使用することができ、研修後には実際の授業で実践を始めています。
[1-2]教員同士のコーチングモデル(PTM)の導入・実施
本事業では、教員の指導力を改善するため、教員同士の授業観察および評価などを通じて、指導力強化を図るコーチングモデル Professional Teacher’s Meeting(PTM)と呼ばれるコーチングモデルを実施しています。
2015年3月から5月の間に、PTMを計40回(1校につき4回)実施しました。今回のPMTの中で最も議論され、実践において変化があったのが、授業観察でした。PMTにおいて教員指導の役割を担う5名の教員グループが、これまでの学校教育の中で行われてきた授業観察2と当事業で実施している授業観察の違いを他教員に説明し、新しい授業観察のポイントとして
(a)教員は子どもたちの表情や学ぶ様子を観察できるよう、教室の前に立つこと
(b)子どもたちが何につまずいているのか、つまずいている理由は何かを考察すること
(c)子どもの理解を促すために必要なサポートや教え方
の三点を自身の経験をベースに他教員に共有し、参加者はその学びを実際の授業観察にて実践しました。40回の実施の結果、PMTに参加した教員は、子どもたちの学習についてより注意深く観察し、考えることができるようになりました。
PMTやこのような授業観察を通じて教員は、子どもたちの特徴や習熟の度合いに合わせた指導内容や指導方法の見直しを柔軟に行っていくことができるようになりました。今四半期の活動を通じ、「授業中に生徒を注意深く観察する技術」、「子どもの習熟度合いを分析する技術」、教員と生徒の「双方向の学び」が、実際の授業で実践されてきており、これら教員の教授法の変化は、子どもたちの授業への積極的な参加にもつながっています。
また2015年3月~5月には、上記教員グループで、定期的に各学校へのモニタリングを行いました。今回のモニタリングでは、教員が、子どもたちの特徴や習熟の度合いに合わせた指導内容や指導方法の見直しを柔軟に行うようになっておりそのような教員の変化は、子どもたちへの授業への積極的な参加を引き出していることを確認しました。
▼活動2:子ども達のベトナム語上達や発達をサポートするための教育資材の配布
[2-1]読書コーナーの設置(対象:69校)
2015年3月、1校につき50冊の絵本を配布し、絵本の読書室への設置を完了しました。教員は、本の配置方法、貸出の方法、子どもへの年齢に合った絵本の紹介の仕方等に関し学び、交代で読書コーナーを管理しています。読書コーナーの設置は、子どもたちがたくさんの絵本を触れることを通じて、楽しみながらベトナム語に触れ、語彙を増やす機会を広げることにつながっています。
参加した教員は、単語の習得や読解の授業に絵やカードを活用する方法のほか、お金をかけずに身近にあるものを学習に利用する手法や、子どもが先生を身近に感じられるような授業の組み立て方、授業中に生徒の反応を注意深く観察する技術、更には子ども教員双方の学び合いの促進などを学びました。
研修は、研修を受けた教員たちが実際に子どもたちの前で模擬授業を行う機会を作るなど、研修受講者参加型で進められました。そのため、教員たちはこれらの手法を実際に研修の中で使用することができ、研修後には実際の授業で実践を始めています。
[2-2]遊具の配布(対象:本校10校)
2015年3月、各学校のニーズに合わせ、体育服、運動靴、サッカーボール、ゴールキーパー・グローブ、バトミントン・ラケット、シャトル、ネット等のスポーツ遊具の配布を行いました。体育の授業時間に、遊具を使ったスポーツを取り入れ、子どもたちは、遊具の使い方、スポーツのルールについて学びました。練習の後に、試合を行うことで、子ども達は楽しみながら学ぶことができています。
これまでは遊具が不足していたことでできなかった遊びや運動が、できるようになり、他の子どもたちと外で遊具を使って、遊ぶ時間が増えています。なお、分校を含む全ての学校にスポーツ遊具を配布するのが理想でしたが、分校は子どもたちが安全な環境でスポーツを楽しむことができる十分な広さをもった校庭がないことから、本校のみの配布となりました。分校の子どもたちは、メインスクールのサッカー・チーム、バトミントン・チームのメンバーとして参加し、練習に参加しています。
【今後の活動予定】
▼活動1:少数民族の子どもに対する教員の指導力強化
教員グループによる定期的なモニタリング、PTMを通じて、有効な事例等の普及を行っていきます。
▼活動2:子ども達のベトナム語上達や発達をサポートするための教育資材の配布
教員が引き続き読書コーナーの管理を行っていきます。管理だけでなく、子どもが積極的に本を手に取りたくなるような本の配置、紹介の仕方などのスキルを強化していきます。
【裨益者の声】
▼サイさん(10才、モン族の男の子、ラオカイ省バサット郡)
サイさんの家は農家です。サイさんの下に二人の兄弟がいます。小さいキャッサバの畑からの収穫が主な収入源で、そこからの収益は年間1.5~1.9万円ほどしかありません。その畑も、土壌侵食、気候の変動により収穫が減りつつあります。サイさんは、朝5時に起き、家の手伝いをしてから、朝ごはんを食べずに、朝6時に学校に行っています。教科書は買うことができず、他の子どもから借りています。学校が終わると、森で薪を集め、家計を助けています。
「学校に行くのが好きです。特に、体育の時間が楽しいです。ベトナム語の勉強も、ディスカッションやグループワークがあって、楽しいです。勉強をしているような感じをしません。先生はやさしくて、怒ったりしません。新しい単語を習ったら、教室にある「単語の木」にその単語を貼っています。毎日、見て忘れないようにするためです。ベトナム語がそれほど難しくなくなってきました。将来の夢は、自分の小さなお店を持つことです」
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