Vitoria vol.351
interview
37MF
細貝 萌
Hajime HOSOGAI
----勝ちと負けを繰り返す不安定な戦いが続きます。現状をどう捉えていますか?
「今までのサッカー人生の中では、もっと勝てない時期や、なかなかうまくいかない時期はありました。勝っているときはいろいろ考えなくても連勝ができるということもあるんですが、こういう勝ちと負けを繰り返し、トータルすると負け越している状況では、チームとしてどれだけ辛抱できるか大事になります。勝利を手にするためにも貪欲に我慢強くやるしかないと思います」
----我慢強く戦えた試合が、第22節のFC東京戦でした。
「FC東京戦では、後半はかなり攻め込まれました。でも、辛抱強く戦っていれば絶対にチャンスが来ますし、それを瀬川が決めて勝った試合でした。たとえ内容が厳しくても勝てばサポーターは喜んでくれます。選手としても、良いサッカーをして勝てなかったときに『負けたけど良いサッカーをしていたからいい』と言う人はいません。いくら良いサッカーをしても、負けてしまったことが全てだし、逆にうまくいかない試合でも結果に結びつけられるような戦い方をしなければいけない。そういう勝ち癖をつけるためにも、チームはもっと危機感と必死さを持ってやらなければいけないと思います」
----今節はV・ファーレン長崎との対戦になります。前回アウェーの対戦ではセットプレー一発に敗れました。
「そうですね。あの試合もほとんどチャンスを作らせていない中での一発でした。チームとしては失点をしてしまうと厳しいし、V・ファーレンのような5バックのチームに先制されて守りに入られたときに崩すのは簡単ではなくなります。当然ですが先に失点はしたくないですし、失点をせずにFC東京戦のように我慢強く戦っていれば、J(伊東)や(江坂)任、うちの攻撃陣は点を取る能力は高いので、チャンスがあれば得点はできるはずです。個人的に試合に出る、出ないは別として、自分に与えられた役割をピッチに立ったときに 出せるように努力していきたいと思います」
----湘南ベルマーレ、ベガルタ仙台、ジュビロ磐田、最近の敗れた試合は5バックのチームに先制を許し、そこから相手に引かれて崩せないことが多いです。
「やっぱり5枚の相手に引かれてしまうと崩すのは難しいです。例えば右サイドで言えば、Jやリュウ(小池)が一人をかわしても、まだ中にはセンターバックが3枚残っていることになります。単純に考えて相手の枚数が多いですし、そう考えると先に失点はしたくはないですね。それはベガルタやジュビロだけではなく、V・ファーレンにも同じことが言えると思います。もちろん先に失点をしていいというチームはありませんし、先に失点をしないように努力する必要はありますが、仮に先に取られてしまったとしても『またか』と思うのではなく、『まだまだ行ける』と思わなくてはいけないし、そこで絶対に慌ててはいけない。ジュビロ戦では先制されてもまだ時間はたくさん残されていたわけだから、そこで『行ける』という気持ちになれれば跳ね返すことは可能だったと思います。もちろんピッチに立っていた選手も、そう思っていたはずですが、そこはもっと強く言っていく必要があります。僕は今、あまり試合に出てはいないですが、試合に出ている選手が気持ちよくプレーできるように、僕も含めて、タニくん(大 谷)、クリさん(栗澤)、澤さん、(鎌田)次郎くん、年齢が上の選手が自分たちの経験を年下の選手に伝えて、この状況を脱出できるようにやっていかなければいけないと思います」
----FC東京戦で瀬川選手が得点を決めた直後、大谷選手と細貝選手が真っ先にベンチに来た瀬川選手と抱き合って喜んでいた姿が印象的でした。
「やっぱりチームで戦っているわけなので、ピッチ上で貢献できていなくても、そういうことは重要だと思います。瀬川はそれまでベンチで過ごす時間が長かったけど、あの重要な場面で点を取ったのは僕もすごく嬉しかったです。今までチャンスが少なかった瀬川が頑張っているからこそ、自分ももっと頑張らなければいけないという自分へのプレッシャーにもなりますからね」
----リーグ戦は残り11試合です。チームが上向きになるために、細貝選手の意気込みを聞かせてください。
「チームプレーをしないとか、約束事を無視するという意味ではなくて、各選手はもっと自分の良さ、長所を試合で出そうというところにフォーカスしてもいいと思いますし、僕がやることははっきりしています。試合に出たときに勝利に貢献できるか。だからこそ自分の良さを出せるようにプレーするしかないと思っています」
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