Vitoria vol.335
interview
23GK
中村 航輔
Kosuke NAKAMURA
前節の鹿島アントラーズ戦の引き分けで3 位以内が消滅しました。自力によるACL 出場の可能性はなくなったわけですが、チームの雰囲気やモチベーションはいかがですか?
「4位になっておけば、天皇杯のセレッソの結果次第ですがACL 出場の可能性はありますし、モチベーションは変わらず高いです」
この2 試合、後半に相手に主導権を奪われてしまった試合内容が懸念されます。
「改善を目指すのは当たり前だと思います。前節は後半、アントラーズの時間が続きましたが、前半はウチにもチャンスはありました。サッカーとはそういうもの。もしあの試合で負けて『後半がダメだったから』という言い訳をするよりは、悪い状況で何ができるかというところに自分はウェートを置きたい。前半に良い時間帯があるのなら、そこで点を取るべきだったし、実際にジュビロ戦ではそこで点を取れました。でも良い時間で点が取れなかったとしても、悪い時間を我慢して、最後の最後で点を取って勝てばいいだけですから」
ジュビロ磐田戦、アントラーズ戦と2試合連続無失点。失点の多い状況が改善されたのは、球際の競り合い、セカンドボールへの執着心で変化が表れたからでしょうか?
「最後の最後で身体を張って紙一重で守っていたし、ジュビロ戦で守れたから、それが自信になってアントラーズ戦でも守れたのかもしれない。球際の部分が足りていても失点するときもありますが、失点した場合はそういう部分が足りなかったと指摘されるべきだし、それができたから無失点というのはあったと思います」
今節はサンフレッチェ広島との対戦です。
「監督が替わって、システムも変わりましたね。今年は苦しんで、前節残留が決まったけど、もともとサンフレッチェは力のあるチーム。楽な試合は一つもないし、今回も難しい試合になると思います。今は前線にパトリックがいるし、能力の高い選手に任せるというのは一つの手段。パトリック以外にも良い選手が多く、優勝を何度も経験している。今年は結果が出なかったというだけで力のあるチームには変わりないですね」
どのあたりが勝負のポイントになりそうですか?
「自分としてはゴールを守ることが仕事。無失点で抑えれば1点を取れば勝てるし、1失点したとしても、それ以上の失点を許さずに味方の反撃を待つだけだから、やることはいつもと変わりません」
ジュビロ戦でもアントラーズ戦でも好セーブがありました。個人的には調子が良い状態ですか?
「アントラーズ戦は優勝が懸かった状態で、みんながアントラーズのゴールを待っていたから、自分のセーブがより取り上げられたかなというのはあったと思いますが、個人的な出来で言えば『まあまあ』という感じですかね」
周りがアントラーズのゴールを待っていた状況だからこそ、中村選手は見せ場だと感じていたのではないですか?
「自分だけじゃなくて、みんなそうだったと思いますよ。ほとんどの人がアントラーズのゴールを待っているわけだし、自分たちからすれば目の前で優勝されるのは悔しいし、みんなに意地とプライドみたいなものはありましたね。ゼロで抑えられたのはチーム全員の仕事の結果だと思います」
今週はEAFF E-1サッカー選手権に出場する日本代表の発表があり、中村選手は招集を受けました。
「前に代表に選ばれた時と変わらず嬉しいです」
ただ、正キーパーの川島永嗣選手がいない状況での招集です。
「今回の代表におけるGK 内の立ち位置は変わってきそうです。GK だけじゃなくてメンバーが変わっているのでチームの雰囲気は違うと思います。それは実際に行ってみて、自分がどう思うかですね。でも雰囲気をはじめ、いろいろと変わっているものがあるんだろうと想像して代表に行こうと思います」
今回はA代表デビューの可能性が十分あると思います。
「楽しみですが、いつもどおりに準備するだけです。簡単に代表で試合に出られるとは思っていないし、そこは代表をリスペクトしてやります。今回の大会だけじゃなくて常に100%で挑んだ結果、6月のワールドカップが終わって後から振り返ってみて「あの時、アピールに成功したから」というのがわかると思うし、そこは自分次第です」
今節はリーグ戦最後の試合。その後には代表戦も天皇杯も控えています。意気込みを聞かせてください。
「まずはこの試合でリーグ戦4位を絶対に確保する。目の前の1試合1試合というのは変わりませんが、当然天皇杯優勝も狙っていますし、試合内容がどうであれ、とにかく結果にこだわってやっていきます」
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