Vitoria vol.319
interview
7MF
大谷 秀和
Hidekazu OTANI
----前節のサンフレッチェ広島戦の勝利は、攻守に手応えをつかんだ内容だったのではないですか?
「そうですね。2 週間の中断中に『こうやって戦っていこう』というチームの戦い方を打ち出して、紅白戦でもサンフレッチェを想定しながら、全員が頭をクリアにした状態で臨めたのは良かった。サンフレッチェはボールを持たせたらうまいので、相手の陣形が整う前に自分たちからどんどんプレスをかけていこうという戦い方をしたのですが、サンフレッチェは嫌がっていたと思います」
----大谷選手のロングシュートも見事でした。
「リーグ戦に限っていえば先制点は一度もなかったので、チームに勇気を与えられるゴールになったのは良かったと思います。もう一度あの場所に蹴れと言われたら難しいけれど(笑)、あれも(大津)祐樹がしっかり前から追ってGK のキックミスを誘い、ディエゴもセカンドボールに反応してくれていました。あの局面だけを見ても、チームがやろうとしていたものを発揮できていたと思います」
----今節対戦する清水エスパルスは、先月にルヴァンカップで対戦したばかりです。印象はいかがですか?
「エスパルスとはキャンプの練習試合でも対戦していますが、ルヴァンカップでも全員で守ろうという意識がすごく強いという印象でしたね。リーグ戦でもFWのテセさん(鄭大世)が自陣のペナの近くまで戻ってケアしている場面もあり、全員でハードワークをしながら勝点を取っていこうというチームの意思が感じられます。キャンプの練習試合では押し込みながら、なかなか自分たちがゴールを奪えず相手にリズムが傾いてしまいました。ルヴァンカップも、サンフレッチェ戦もそうですけど、改めて先制点の大きさを感じたので、今回も先手を取れる展開にできればと思います」
----また、今回のエスパルス戦は、大谷選手にとってJ1 通算300 試合出場となる節目の試合です。
「300 試合といっても、特別に変わらないですよ(笑)。でも自分がここまでやるとは思っていなかったし、J1で300 試合に出場した選手はたくさんいるわけではないし、レイソルだけでの達成は初めてということなので、ありがたいことです」
----デビュー戦は2003 年の開幕戦、FC 東京戦でした。覚えていますか?
「よく覚えています。開幕戦に出場した選手は結構若かったんですよね。俺の他にも、(矢野)貴章、(永井)俊太くん、みっちゃん(永田充)...。マルコ(アウレリオ監督)が若い選手を積極的に使ってくれたから、ウノ(宇野沢祐次)やドゥー(近藤直也)も出てきているし、ミノル(菅沼実)も2種登録でシーズンの途中から出てきました。そういう若い選手を使ってくれる監督だったことは大きかったです」
----大谷選手は15シーズンで延べ9人の監督の下でプレーをしてきました。そのほとんどで主力の座を勝ち取ってきています。
「監督がこの人だから出られる、このサッカーだから出られるというのはでは、長くはやっていけない。自分のプレースタイルはあるけど、監督が求めることや、やりたいサッカーに順応しないといけないと思います」
----300 試合の中で印象深い試合は?
「優勝した試合...というより2011年が印象深いです。最後までグランパスとガンバと争い、一つでも落としたら順位がひっくり返るような、すごくヒリヒリした緊張感の中で試合をしていました。でも、それまで味わったような残留争いの重苦しい緊張感ではなく、すごくポジティブな雰囲気だったから重圧も感じなかったし、上の方で注目される良さを楽しんでいました。1回優勝して満足するかなと思いましたけど、あれは何回も味わいたいし、その欲がその後の天皇杯やナビスコカップのタイトルにつながったと思います」
----300 試合出場をクリアしたその先には、個人的な目標はありますか?
「300 試合も一つずつ積み上げた結果だから、301試合目に自分が出られるように1週間頑張るだけです。結局それは辞めるまで変わらないですよ。上の年齢の選手を見れば、同じポジションでやっている選手はまだまだ多いし、クリ(栗澤僚一)もまだまだ走っているから、そういう年上の選手を見ながら自分もやりたいと思います。辞めるときにJリーグアウォーズで功労賞をもらえるように頑張ります(笑)」
----最後に4 月の巻き返しに向けて意気込みを聞かせてください。
「チームとして今は形が見えてきています。ハジ(細貝萌)が入り、みんなが新しい刺激をもらっているので、高いレベルの競争ができれば、それだけチーム力が上がります。なんとかチームが掲げる目標を達成できるように、まずはその争える位置に持っていくために、この出遅れた分を取り戻したいと思います」
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